さいたま市大宮区の「堀の内整形外科内科クリニック」です。
師走に入り、街全体が慌ただしくなってきました。クリスマス、忘年会、そしてお正月とイベントが続く年末年始は、誰もが気持ちよく新しい年を迎えたいと願っていることでしょう。
しかし、この年末年始は、残念ながら交通事故が年間で最も多発する、非常に注意が必要な期間でもあります。
警察庁の統計データを見ても、12月は交通事故の発生件数、および死亡事故の件数が一年で最も多くなることが明らかになっています。
今回は、なぜ年末年始に交通事故が増加するのか、その具体的な原因と対策、そして万が一交通事故に遭われた際の当院のサポート体制について、地域の皆さまにお伝えしたいと思います。
1. データが示す現実:なぜ12月は交通事故が最多なのか
📈 年間で最も危険な月「12月」
過去の統計データからも、12月は他の月に比べて交通事故の発生件数が多い傾向が確認されています。この時期に交通事故が集中する背景には、複数の要因が複合的に絡み合っています。
主な要因は以下の通りです。
1.薄暮(はくぼ)時帯の危険性増加2.飲酒機会の増加(飲酒運転の多発)
3.交通量の増加とドライバーの心理的焦り
🔦 要因①:日没の早さによる「薄暮時」の交通事故多発
12月は、一年で最も日照時間が短くなる時期です。
交通事故の統計では、日没前後の薄暮時間帯(特に17時~19時頃)に死亡事故が集中して発生することが分かっています。
12月はこの薄暮時間帯が早く訪れるため、ドライバーにとっては「暗い」と感じる時間が長くなり、歩行者や自転車の発見が遅れるリスクが極めて高くなります。
特に、黒っぽい服装の歩行者は、薄暮の背景に溶け込みやすく、交通事故の被害に遭いやすい傾向にあります。
🍻 要因②:忘年会シーズンに伴う飲酒運転の増加
12月は忘年会やクリスマスパーティーなど、飲酒の機会が一年で最も増える時期です。それに伴い、飲酒運転による交通事故も増加します。
飲酒運転は、運転に必要な認知能力、判断能力、操作能力を著しく低下させ、重大な交通事故を引き起こす危険な犯罪行為です。
年末年始の楽しい雰囲気に流されず、「飲酒運転は絶対にしない、させない」という強い意識を持つことが、交通事故を未然に防ぐための第一歩です。
🏃 要因③:師走の心理と交通量の増加
- 心理的焦り: 12月は「師走」という言葉の通り、仕事の納期、年末の準備、大掃除、帰省の準備などで、ドライバー自身が常に「急ぎたい」「早く済ませたい」という心理状態になりがちです。この焦りの心理は、車間距離の詰め過ぎや無理な追い越し、信号の見落としといった危険な運転に直結し、交通事故のリスクを高めます。
- 交通量の増加: 年末の買い出し、帰省、物流の繁忙期が重なるため、交通量が大幅に増加し、道路が混雑します。普段走り慣れない道や、渋滞による集中力の低下も、交通事故発生の一因となります。
2. 交通事故の被害を防ぐための具体的な対策
年末年始に交通事故の当事者にならないために、ドライバー、歩行者、自転車利用者の全てが意識すべき対策があります。
🚗 ドライバーが取るべき対策
1.早めのライト点灯を徹底する: 日没が近づいたら早めにヘッドライトを点灯し、自身の車の存在を周囲に知らせましょう。特に薄暮時の交通事故防止に極めて有効です。2.「かもしれない」運転の徹底: 「子どもが飛び出してくるかもしれない」「対向車が無理に右折してくるかもしれない」といった予測を常に持ち、焦らずゆとりを持った運転を心がけてください。
3.飲酒運転の根絶: 飲酒の予定がある場合は、車での移動を避け、代行運転や公共交通機関を利用してください。前日の深酒も、翌日の運転に影響を与えることがあります。
🚶 歩行者・自転車利用者が取るべき対策
1.反射材の活用: 特に夜間や薄暮時に外出する際は、カバンや靴、自転車に反射材を装着しましょう。ドライバーからの視認性を高めることが、交通事故から身を守る最も効果的な方法の一つです。2.横断時の安全確認を徹底: 「車が止まってくれるだろう」という安易な思い込みは危険です。信号を守ることはもちろん、横断歩道や交差点では、左右の安全を十分に確認してから渡るようにしてください。
3.ながらスマホの厳禁: 歩きながら、あるいは自転車に乗りながらのスマートフォン操作は、注意力を著しく低下させ、交通事故に繋がる危険な行為です。
3. 万が一、年末年始に交通事故に遭われたら
当院では、交通事故による外傷の治療を、年末年始も含めてサポートしています。(※当院の休診情報をご確認ください)
もし年末年始に交通事故に遭われた場合、帰省中や旅行中であっても、以下の初期対応と受診を最優先してください。
🏥 軽微な事故でも必ず受診を
年末年始の慌ただしさから、「軽い交通事故だから大丈夫」「休み明けに病院に行こう」と自己判断してしまうケースが見受けられます。
しかし、前回のブログでもお伝えした通り、むちうち症(頸椎捻挫)は、事故から時間が経過してから症状が出現することが非常に多いです。
- 事故直後は興奮状態にあり、痛みを感じにくい
- 数日後に炎症が本格化し、首や腰の痛み、頭痛、吐き気などの症状が悪化する
症状の有無にかかわらず、必ず警察へ連絡し、人身事故扱いの診断書を作成してもらうためにも、速やかに整形外科を受診してください。
📝 当院での交通事故治療の流れ
当院は、交通事故による患者さまの治療を、自賠責保険適用にて(原則窓口負担なしで)行うことが可能です。
1.診察・画像診断: 問診と触診を行い、交通事故による外傷の程度を正確に評価します。骨折や損傷がないかを確認するため、レントゲン撮影を迅速に行います。
2.保険会社との連携: 患者さまから相手方の保険会社へ当院での治療を希望する旨を伝えていただければ、その後の煩雑な手続きは当院と保険会社とで連携を取りながら進めます。
3.治療・リハビリテーション: むちうち症や腰椎捻挫などの軟部組織損傷に対して、投薬・物理療法・専門的なリハビリテーションを組み合わせて行います。年末年始の帰省先からさいたま市に戻られた後も、スムーズに治療を引き継ぐことが可能です。
交通事故の治療は、初期の対応と継続的なリハビリテーションが、後遺症を残さないために非常に重要です。
年末年始だからと諦めず、まずは当院にご相談ください。
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年末年始は、誰もが待ち望む楽しい時間です。
しかし、この時期に交通事故が増加するという事実を忘れず、「ゆとり」と「思いやり」を持った行動を心がけ、安全な運転・行動で新しい年を迎えましょう。
交通事故によるお怪我でお困りの際は、当院までお気軽にご連絡ください。

