さいたま市大宮区の「堀の内整形外科内科クリニック」です。
6月後半、梅雨の湿気と同時に、気温が急上昇する日が増えてきました。
この時期、当院で急増するのが「肉離れ」をはじめとする筋肉のケガです。
スポーツで激しく動いたときだけでなく、日常生活のふとした動作で「ブチッ」という音とともに激痛に襲われる……そんな経験はありませんか?
今回は、なぜ湿度の高いこの時期に筋肉のトラブルが起きやすいのか、そして、筋肉の柔軟性を守るために不可欠な「水分補給」の科学について、整形外科医の視点から徹底的に解説します。
1. 肉離れ(筋損傷)はなぜ起こるのか?
肉離れとは、筋肉が急激に引き伸ばされることで、筋繊維が微細、あるいは大規模に断裂する現象です。
医学的には「筋挫傷」とも呼ばれます。
特に多い部位は、太ももの裏(ハムストリングス)やふくらはぎです。
これらは、走る、ジャンプする、急に止まるといった動作で、強い負荷がかかる場所です。
しかし、本来筋肉はゴムのような弾力を持っており、ある程度の負荷なら吸収してくれます。
問題なのは、その「弾力(粘弾性)」が低下しているときです。
2. 「水分不足」が筋肉を硬くする理由
筋肉の約75%〜80%は水分で構成されています。
水分が十分な筋肉は、柔軟で伸び縮みしやすい性質を持っています。しかし、体内の水分が不足するとどうなるでしょうか。
筋肉の「クッション性」の喪失
水分が失われると、筋肉は「ゴム」のような柔軟性を失い、例えるなら「干からびた粘土」のように硬くなります。
この硬い状態で無理に力を込めて筋肉を収縮させると、組織が伸びしろを失い、断裂(肉離れ)を起こしてしまうのです。
血液循環の悪化
水分不足は血液の粘度を上げます。ドロドロになった血液は、筋肉に十分な酸素と栄養を運べません。
栄養が行き届かない筋肉は、老廃物(疲労物質)を排出することもできず、機能不全に陥ります。
この状態で運動をすれば、肉離れだけでなく、激しい「こむら返り」を引き起こすのも当然の結果です。
3. 夏を勝ち抜く!正しい水分補給の処方箋
「喉が渇いたら水を飲む」では、筋肉を守るには遅すぎます。
特に6月〜7月は身体がまだ暑さに慣れていないため、意識的な給水が重要です。
黄金の給水タイミング
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運動前: 少なくとも30分前に、コップ1〜2杯の水分を摂取してください。これで筋肉をあらかじめ水分で満たしておくことができます。
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運動中: 15〜30分おきに、少量ずつ摂取を繰り返します。
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運動後: 失われた水分とミネラルを補うために、体重減少分を目安に摂取してください。
ミネラルの重要性
汗をかくと失われるのは水だけではありません。
ナトリウム、カリウム、マグネシウムといった電解質が一緒に失われます。
これらのミネラルは、筋肉の動きを調整する「スイッチ」のような役割を果たしています。
水だけを大量に飲んでもミネラルが不足すると、筋肉の電気信号にエラーが生じ、痙攣や損傷を招きます。
スポーツドリンクや経口補水液をうまく活用してください。
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4. まとめ:筋肉を愛する生活習慣を
筋肉のケガは、その多くが「予兆」を伴います。
「なんとなく足が重い」「筋肉が張っている気がする」
そう感じた時が、身体からのSOSです。無理をせず、ストレッチと適切な水分補給を徹底する。
これが、健康な身体を維持するための唯一の秘訣です。
何かあったら、すぐに当院のリハビリテーション科を頼ってください。

