さいたま市大宮区の「堀の内整形外科内科クリニック」です。
年の瀬が近づき、本格的な冬の寒さとともに、多くの方が大掃除を計画されていることと思います。しかし、この冬の大掃除シーズンは、「ぎっくり腰(急性腰痛症)」を発症し、急な激痛で動けなくなる方が非常に増える時期でもあります。
「魔女の一撃」とも呼ばれるぎっくり腰は、突然の激痛で日常生活に大きな支障をきたします。なぜ大掃除中にぎっくり腰になりやすいのか、その原因と、万が一発症してしまった際の正しい応急処置、そして予防のためのストレッチについて詳しく解説します。
1. なぜ冬の大掃除でぎっくり腰が増えるのか
ぎっくり腰は、重い物を持ち上げたり、急に体をひねったりした際に、腰椎(腰の骨)の関節や周囲の筋肉、靭帯などが急激に損傷して炎症を起こすことで生じます。
大掃除という特定の活動が、ぎっくり腰のリスクを高める要因は以下の通りです。
❄️ 要因①:冬の寒さによる筋肉の硬直
最大の原因は寒さです。
冬の寒さは血管を収縮させ、血行を悪くします。その結果、腰や背中の筋肉が硬く、緊張した状態になります。筋肉が硬い状態では、わずかな無理な動作でも柔軟に対応できず、簡単に損傷(肉離れや筋膜の損傷など)を起こしやすくなります。
🧹 要因②:無理な姿勢と長時間労働
大掃除は、普段行わない無理な姿勢での作業が多くなります。
- 中腰での作業: 床の拭き掃除や低い位置の掃除で中腰が続くと、腰の筋肉や椎間板に大きな負担がかかります。
- 重い物の持ち運び: 溜め込んだ荷物や家具の移動は、腰に大きな負荷を与えます。
- 急なひねり動作: 雑巾を絞る、高い場所の物を取ろうとして急激に体をひねるなどの動作は、腰椎に強いストレスを与えます。
⏰ 要因③:準備不足と疲労の蓄積
「一気に終わらせたい」と休憩を取らずに長時間作業を続けると、疲労が蓄積し、体の動きの正確性が失われます。また、準備運動なしでいきなり重労働を始めることも、硬くなった筋肉にいきなり負荷をかけることになり、ぎっくり腰の大きな引き金となります。
2. ぎっくり腰の正しい応急処置と受診の目安
もし大掃除中に突然の激痛に襲われ、動けなくなってしまったら、焦らずに以下の手順で対処してください。
🧊 応急処置の原則:「まずは安静と冷却」
- 楽な姿勢で安静を保つ(Rest): 無理に立ち上がろうとせず、その場に横になってください。膝を軽く曲げ、下にクッションや座布団を敷いて腰の緊張を緩める姿勢(シムス位や仰向けで膝の下にタオルを入れる)が最も楽な体勢です。
- 患部を冷やす(Icing): 発症直後の激しい痛みは、炎症によるものです。ビニール袋に氷と少量の水を入れ、タオルでくるんだものを痛む部分に当てて、15~20分ほど冷やします(アイシング)。これにより、炎症を抑え、痛みを和らげることができます。
- コルセットや腹帯で固定: もしコルセットや幅広のベルトがあれば、腹圧を高めて腰を安定させるために巻いてください。
⚠️ やってはいけないこと
- 無理に動かそうとすること: 激痛を我慢して動くと、損傷を悪化させる可能性があります。
- 温めること(直後): 発症直後の炎症が強い時期に温めると、血流が良くなりすぎて炎症が広がり、かえって痛みが増すことがあります。発症から2~3日経って、痛みが落ち着いてから温めるようにしてください。
🏥 受診の目安
痛みで全く動けない場合は、無理せず安静にした後、ご家族のサポートを受けて当院を受診してください。特に以下の症状がある場合は、ぎっくり腰以外の重篤な疾患の可能性も否定できませんので、速やかな受診が必要です。
- 発熱がある
- 足のしびれや麻痺がある
- 排尿・排便のコントロールができない
3. ぎっくり腰を予防する「大掃除前の準備と動作」
ぎっくり腰を未然に防ぐためには、「正しい体の使い方」と「事前のウォーミングアップ」が非常に重要です。
🤸 大掃除前のウォーミングアップ
硬直した筋肉をほぐす簡単な準備運動から始めましょう。
- 全身の軽いストレッチ: 首、肩、背中、股関節、太もも、ふくらはぎをゆっくりと伸ばします。
- 背骨の動きを出す運動: 四つん這いの姿勢で、背中を丸める(ネコのポーズ)と反らす(ウシのポーズ)を繰り返し、背骨の関節を滑らかにします。
💪 正しい体の使い方(重量物の持ち方)
腰に負担をかけないための基本は、「膝と股関節を使うこと」です。
- 膝を使う: 重い物を持ち上げる際は、腰を曲げるのではなく、膝を曲げてしゃがみ、荷物を体に近づけてから、膝を伸ばす力(太ももの大きな筋肉)を使って持ち上げてください。
- 体をひねらない: 荷物を持ち上げた状態のまま、腰をひねって向きを変えるのは厳禁です。足全体を使って体の向きを変えるようにしましょう。
- 休憩と小分け: 30分~1時間に一度は作業を中断し、休憩を挟みましょう。重い荷物は一度に運ばず、小分けにして運ぶか、台車などを活用してください。
4. 堀の内整形外科内科クリニックでのぎっくり腰治療
当院では、ぎっくり腰を発症してしまった方に対し、痛みを早く取り除き、再発を防ぐための根本的な治療を行います。
💊 治療の流れ
- 正確な診断: 診察で炎症部位を特定し、必要に応じてレントゲン検査で骨の異常がないかを確認します。
- 炎症と痛みのコントロール: 痛み止め(内服薬、坐薬)や湿布の処方、炎症を抑える注射や点滴などで、まずは激しい痛みの軽減を図ります。
- 物理療法: 痛みが落ち着いてきたら、温熱療法や電気治療などで血流を改善し、硬くなった筋肉を緩めます。
- リハビリテーション: 理学療法士が、患者さまの腰痛の原因となっている姿勢や動作の癖を分析し、再発を防ぐための体幹(インナーマッスル)の強化や、日常でできるストレッチ、正しい体の使い方を指導します。
ぎっくり腰は、一度治っても再発しやすい疾患です。当院は、単なる痛みの治療で終わらせず、根本的な原因にアプローチし、皆さまが安心して大掃除を終え、新しい年を迎えられるようサポートいたします。
腰の痛みや不安を感じている方は、お早めに当院にご相談ください。

